クリスタル・ガラスの正体
高品位の無色透明ガラスのことを「クリスタル・ガラス」(英語:lead glass)と言います。
成型・徐冷後に、高い透明度のガラスとなるため、ガラス食器・グラス類・ガラス工芸に用いられます。
素材としては、カッティング装飾による一層の輝きを与られるカットグラス(切子)向け、また、とんぼ玉等のバーナーワーク向けのグラスロッド等があります。
製品としては、高級洋食器・グラス・トロフィー・シャンデリア・ジュエリー・ビーズ等となり販売されます。
工業用途として代表的なものは、テレビのブラウン管用のガラスや、医療・研究・建築・工学的用途向けに鉛の含有量を高くし放射線の遮蔽能力を強化した放射線遮蔽ガラスがあげられます。
日本では日本電気硝子が販売しています。
▲伝統工芸品「江戸切子」
一般的に「クリスタル・ガラス」は、珪砂(けいしゃ[SiO2])、カリウム、ソーダ灰というガラスの主成分に、酸化鉛(PbO)を添加して形成される鉛ガラスの一種を指します。
ガラスの製造時に酸化鉛等を添加することでガラスの溶解温度が低く抑えられ、成形も普通のガラスに比べて容易になること、また透明度と屈折率が高まり水晶(クリスタル)のように輝く透明なガラスになることから、通称として「クリスタル」と呼ばれます。
一般的には鉛の含有量が上がるほど光の透明度や屈折率が高くなり、また比重が大きくなるとともに打音が澄んで余音を持ちます。
このため、特にワイングラスなど工芸用では酸化鉛が多いものが好まれます。
しかし、その実現には、溶解・成形・徐冷・加工などの高度な製造技術や、鉄分など不純物の除去や他の混合物の配合など全体的な化学組成の調整が重要で、一概に鉛の含有量が高ければ良いという訳ではありません。
光学的に無色透明であるよりも、わずかに青みを帯びた方が肉眼では「美しい透明」と感じがちなため、アルカリ金属酸化物などの着色剤を用いて調整することが多いです。
本来、「クリスタル」とは二酸化ケイ素(SiO2)が結晶してできた鉱物(石英)のうち、大きく透明度が高く、宝石(半貴石)としての価値を持つものです。
一方、科学(化学)的な意味での「ガラス」とは、結晶を形成していない非晶質のことであるため、「クリスタルガラス」という言葉は科学的な語義の上では矛盾があるといえます。
(「クリスタル・ガラスはクリスタルかガラスか?」といえば「ガラス」です。)
むしろ「クリスタルガラス」は、マーケティング上の用語で、高級・装飾向けのガラスの代名詞として様々なガラス食器ブランドに利用されています。
日本硝子製品工業会によるクリスタルガラスの定義は、
・酸化鉛を含む:酸化鉛を主要成分として含むガラス
・酸化鉛を含まない:酸化カリウム、酸化バリウム、酸化チタニウムなどを主要成分として含むガラス
の2種類に大別され、更に「高い透明度を有し、かつ屈折率が1.520以上で光沢のある美しい輝き、および澄んだ音色で特徴付けられる」としています。
更に酸化鉛の含有率で以下の種類に細分化されています。
・フルレッドクリスタル:酸化鉛を30%以上含み密度が3.00g/cm^3以上
・レッドクリスタル:酸化鉛を24%以上含み密度が2.90g/cm^3以上
・セミレッドクリスタル:酸化鉛含有量が24%未満で酸化鉛単独もしくは
酸化カリウム、酸化バリウム、酸化亜鉛と併せて10%以上含む
また酸化鉛を含まず、酸化亜鉛を単独または酸化カリウム、酸化バリウム、酸化チタニウムを共に10%以上含むものを、主要成分を基にそれぞれ「カリクリスタルガラス」、「バリウムクリスタルガラス」、「チタンクリスタルガラス」などと呼びます。
鉛規制のため、ハイテク機器におけるRoHS指令に代表される鉛の使用を忌避する動きから、製造過程・廃棄後の処理等・鉛逸散防止が重要視
されてます。
食器用の鉛クリスタルガラスを通常の使用条件で利用している限り、問題になる程の鉛成分溶出はないとされ、輸入時の検査基準をはじめ
管理も行われています。
鉛クリスタルに代わり、チタン化合物やバリウム化合物のガラスへの添加によって屈折率や比重を既存のクリスタルガラスに近づけた「無鉛クリスタルガラス」も存在します。
また、高品位の無色透明ガラスがクリスタルであると解釈して、高い均質度をもった光学ガラスをもってクリスタルと呼称し代替とする場合もあります。
▼クリスタルガラス製のドアハンドルは高額ですが、好評です。
▼ハンドル商品一覧
https://bit.ly/2ZgHQ2x
参考文献;
一般社団法人 日本硝子製品工業会
http://www.glassman.or.jp/
日本電気硝子株式会社
https://www.neg.co.jp/
クリスタル・ガラス
https://bit.ly/325NAho
江戸切子(えどきりこ)
https://bit.ly/3heIYcV
光学ガラス
https://bit.ly/3hakwd1
バーナーワーク
https://bit.ly/2FdUd8j
日本電気硝子
https://bit.ly/327ptPi
成型・徐冷後に、高い透明度のガラスとなるため、ガラス食器・グラス類・ガラス工芸に用いられます。
素材としては、カッティング装飾による一層の輝きを与られるカットグラス(切子)向け、また、とんぼ玉等のバーナーワーク向けのグラスロッド等があります。
製品としては、高級洋食器・グラス・トロフィー・シャンデリア・ジュエリー・ビーズ等となり販売されます。
工業用途として代表的なものは、テレビのブラウン管用のガラスや、医療・研究・建築・工学的用途向けに鉛の含有量を高くし放射線の遮蔽能力を強化した放射線遮蔽ガラスがあげられます。
日本では日本電気硝子が販売しています。
▲伝統工芸品「江戸切子」
一般的に「クリスタル・ガラス」は、珪砂(けいしゃ[SiO2])、カリウム、ソーダ灰というガラスの主成分に、酸化鉛(PbO)を添加して形成される鉛ガラスの一種を指します。
ガラスの製造時に酸化鉛等を添加することでガラスの溶解温度が低く抑えられ、成形も普通のガラスに比べて容易になること、また透明度と屈折率が高まり水晶(クリスタル)のように輝く透明なガラスになることから、通称として「クリスタル」と呼ばれます。
一般的には鉛の含有量が上がるほど光の透明度や屈折率が高くなり、また比重が大きくなるとともに打音が澄んで余音を持ちます。
このため、特にワイングラスなど工芸用では酸化鉛が多いものが好まれます。
しかし、その実現には、溶解・成形・徐冷・加工などの高度な製造技術や、鉄分など不純物の除去や他の混合物の配合など全体的な化学組成の調整が重要で、一概に鉛の含有量が高ければ良いという訳ではありません。
光学的に無色透明であるよりも、わずかに青みを帯びた方が肉眼では「美しい透明」と感じがちなため、アルカリ金属酸化物などの着色剤を用いて調整することが多いです。
本来、「クリスタル」とは二酸化ケイ素(SiO2)が結晶してできた鉱物(石英)のうち、大きく透明度が高く、宝石(半貴石)としての価値を持つものです。
一方、科学(化学)的な意味での「ガラス」とは、結晶を形成していない非晶質のことであるため、「クリスタルガラス」という言葉は科学的な語義の上では矛盾があるといえます。
(「クリスタル・ガラスはクリスタルかガラスか?」といえば「ガラス」です。)
むしろ「クリスタルガラス」は、マーケティング上の用語で、高級・装飾向けのガラスの代名詞として様々なガラス食器ブランドに利用されています。
日本硝子製品工業会によるクリスタルガラスの定義は、
・酸化鉛を含む:酸化鉛を主要成分として含むガラス
・酸化鉛を含まない:酸化カリウム、酸化バリウム、酸化チタニウムなどを主要成分として含むガラス
の2種類に大別され、更に「高い透明度を有し、かつ屈折率が1.520以上で光沢のある美しい輝き、および澄んだ音色で特徴付けられる」としています。
更に酸化鉛の含有率で以下の種類に細分化されています。
・フルレッドクリスタル:酸化鉛を30%以上含み密度が3.00g/cm^3以上
・レッドクリスタル:酸化鉛を24%以上含み密度が2.90g/cm^3以上
・セミレッドクリスタル:酸化鉛含有量が24%未満で酸化鉛単独もしくは
酸化カリウム、酸化バリウム、酸化亜鉛と併せて10%以上含む
また酸化鉛を含まず、酸化亜鉛を単独または酸化カリウム、酸化バリウム、酸化チタニウムを共に10%以上含むものを、主要成分を基にそれぞれ「カリクリスタルガラス」、「バリウムクリスタルガラス」、「チタンクリスタルガラス」などと呼びます。
鉛規制のため、ハイテク機器におけるRoHS指令に代表される鉛の使用を忌避する動きから、製造過程・廃棄後の処理等・鉛逸散防止が重要視
されてます。
食器用の鉛クリスタルガラスを通常の使用条件で利用している限り、問題になる程の鉛成分溶出はないとされ、輸入時の検査基準をはじめ
管理も行われています。
鉛クリスタルに代わり、チタン化合物やバリウム化合物のガラスへの添加によって屈折率や比重を既存のクリスタルガラスに近づけた「無鉛クリスタルガラス」も存在します。
また、高品位の無色透明ガラスがクリスタルであると解釈して、高い均質度をもった光学ガラスをもってクリスタルと呼称し代替とする場合もあります。
▼クリスタルガラス製のドアハンドルは高額ですが、好評です。
「詳細ページはこちら」
▼ハンドル商品一覧
https://bit.ly/2ZgHQ2x
参考文献;
一般社団法人 日本硝子製品工業会
http://www.glassman.or.jp/
日本電気硝子株式会社
https://www.neg.co.jp/
クリスタル・ガラス
https://bit.ly/325NAho
江戸切子(えどきりこ)
https://bit.ly/3heIYcV
光学ガラス
https://bit.ly/3hakwd1
バーナーワーク
https://bit.ly/2FdUd8j
日本電気硝子
https://bit.ly/327ptPi