傘に関する社会問題、迷惑行為、マナー

梅雨が最盛期に突入しました。

これから明日にかけて西日本と東日本の太平洋側を中心に局地的にカミナリを伴った非常に激しい雨や激しい雨が降り、大雨となる所がある見込みです。

さらに向こう一週間の予報を確認すると、東北（仙台）から九州（福岡）にかけて傘マークが目立ちます。


▲特に大阪や福岡など西日本では来週にかけて雨量が多くなる傾向のようです。

この時期、傘は外出時の必須の所持品になりますが、雨天があがり、不要となると、その存在が忘れられてしまうことが多く、交通機関などの公衆の場面における忘れ物として、常に上位に位置しており、毎年大量の忘れ傘が廃棄されています。

また、強風で骨が折れてしまった傘がそのまま道端に捨てられていることもよくあります。

一方で、傘は自転車とともに公共施設で盗まれやすい物の代表です。

天気予報が外れて突然雨が降ってきた日に、折りたたみ傘を持っていない人が、店など公共施設や職場の傘立てに置いてある他人の傘を勝手に使うというケースが多いです。

最も盗まれやすい傘は、外観だけでは誰のものか判別できず、もし盗んでいる所を持ち主に指摘されても「自分の傘と似ているので間違えました」と言い訳できる透明のビニール傘や黒無地の傘ですが、高級ブランド傘も盗まれやすいようです。

また自分のビニール傘を持っていても、よりきれいで新しいビニール傘が置かれていたら自分の錆びた古いビニール傘と交換していく人もいます。

こうした盗難や交換被害を防ぐには、高くない柄物の傘を使う、名前を書くといった対策が有効です。

傘を盗む人の中には、「透明のビニール傘は共有の財産で、みんながシェアして使うもの」と言い訳をする人もいます。

自分のビニール傘を盗まれた人が、困ったのでやむを得ず自分もまた誰かのビニール傘を盗むといった盗難の連鎖が起きることがあります。

こうしたことを受け、コンビニでは忘れ物の傘を無料で貸してくれる所もあります。

また、交通機関などの駅などでは無料または低価格で傘を貸し出す「貸し傘」も存在し、傘の表面に入れた広告による収入などを原資として
運営されるケースも見られますが、傘を貴重品と考えない人がほとんどとなっている現代においては、貸し出された傘をそのまま自宅や勤務先・学校の置き傘に転用したり、別の場所に置き忘れるなどして貸出先に返却しない例も多く見られ、その返却率の悪さから「貸し傘」の運営が廃止されることも多いようです。

逆に、急な降水で購入したものの、自分の傘が増えすぎ、持ち帰っても不要であるという意識から、交通機関の駅の改札口付近やバス停付近の柵などに掛けて遺棄して帰る人もいて、自然発生的な貸し傘コーナーのような状態となっている例も散見されます。

傘の置き忘れや盗難を防ぐために、雨天の日に公共施設や商業施設などに濡れたままの傘を建物内に持ち込む人がいますが、傘から水滴が落ちて床面が水浸しになり、子供や高齢者が転倒してしまうことがあります。

このような事故を防ぐため、昨今では入り口などに傘袋（アンブレラバッグ）が用意されていることもあります。


▲傘袋（自動）

また、鍵をかけられる傘立ても普及しています。


▲鍵付き傘立て

また、自転車を傘をさしたまま運転する「傘さし運転」による交通事故が多いことを受け、2000年代に入ってから、新たに傘さし運転を取り締まる交通ルールが設定されました。


▲雪の道を傘を差し自転車で道行く人（大阪）

その他、
・傘を水平に持つと、背の低い幼児の顔に当たる危険もあるので、立てて持つようにする

・近くに人がいるときは傘を振りまわさない

・狭い通路を傘をさして人とすれ違う時は少し閉じる

・背の高い方の人が傘を上に高くあげてぶつからないようにする

など、傘を使う人のマナーや思いやりが求められています。

特に、成人男性が畳んだ傘を横向きに持つと先端が子供の目の高さと重なってしまうため、日本洋傘振興協議会では「Ｕ字部分の手元を持ち、石突きと呼ばれる傘の先端が地面の方向に向かうように持ってほしい」とアナウンスしています。


▼コンパクトな傘立て「傘受けトレーNO.1」は壁や扉に取付け、使用しない晴れの日は、トレーを外し、枠を折り畳んでおける優れものです。

「詳細ページはこちら」

参考文献;
tenki.jp（2020/7/3）
「2020年梅雨最盛期突入 大雨への備え今一度確認を!」
https://bit.ly/2Aqy3h4

日本洋傘振興協議会
https://jupa.gr.jp/

Wikipedia；
傘
https://bit.ly/2NRfTIr
傘立て
https://bit.ly/2AoStHc