「トイレットペーパー」の向き

「トイレットペーパー」の向き
壁に対して水平軸を持つホルダーに「トイレットペーパー」を取り付ける場合、その付け方は2通りあります。

紙を上から引く(表向き)か、下からまわす(裏向き)か、です。

どちらを選ぶかは習慣によるところが大きく、ほとんど好みの問題といえます。

アメリカでは消費者と風呂・トイレの専門家を対象に調査が行われたことがあり、60-70%の回答者が紙の先を手前に向ける(表向き)を好みました。

一見すると些細な問題で、この「向き」についてはっきりした意見を持つ人は少ないですが、人生相談で有名なコラムニスト、アン・ランダーズは、自身のコラムの歴史のなかで最も議論を呼んだテーマだと語っています。

どちらの向きの支持者も、美しさや清潔さ、「おもてなし」の面で利点があると主張し、さらには紙を切り取りやすく節約になる、キャンピングカーや猫とも相性が良いなどを根拠に挙げています。

いわゆるセレブや専門家でも意見が分かれるところですが、年齢や性別、政治的な信条との関係を指摘する論者もいます。

標本調査の結果からは、社会経済的なステータスと相関関係が示されています。

トイレットペーパーの向きをめぐって問題が生じた場合、妥協以外の解決策として、ホルダーを増やしたりトイレやバスルームを別にする方法があります。

どちらか一方の向きを国が標準化すべきだと唱えている方もいますが、ある発明家は多方向にホルダーが旋回する新しいタイプにもっと人気が出てほしいと願っています。

「トイレットペーパー」の二つの向きは以下のように定義しえます。

・表向き(上から):紙の端を壁から離してかけ、ロールの上から引き出す
「トイレットペーパー」表向き(上から)

・裏向き(下から):紙の端を壁のそばにかけ、ロールの下から引き出す
「トイレットペーパー」裏向き(下から)

トイレットペーパーは左側と右側が反射対称のため、時計回りか
反時計回りかということは曖昧で、見る人の視点に依存しています。

「トイレットペーパー」反時計回りに見える視点
▲反時計回りに見える視点(上から下に垂らすかけ方)

トイレットペーパーの設置において「表向き」「裏向き」それぞれの典型的な利点を挙げると以下のようになります。

「表向き」の利点;
・うっかり拳を壁や棚にこすってしまうリスクを減らし、手垢と雑菌を防ぐことにつながる。

・視覚的に紙の位置をとらえることが容易になり、垂れ下がった紙の先をつかみやすくなる。

・ホテルやクルーズ客船、オフィスビル、公共施設、来客用のトイレをそなえた家庭が「三角折り」をすることで、部屋を掃除したことをアピールできる。

・一般にメーカーはこのかけ方を想定して製品化を行っているため、パターンのはいったトイレットペーパーであればこのかけ方のほうが見栄えがよい。

折りたたまれ、カバーをつけてシールが貼られたトイレットペーパー
▲折りたたまれ、カバーをつけてシールが貼られたトイレットペーパー
 (ホテル・モナステリオ、2009年)

「裏向き」で置かれ、反対側に絵と文章がついているタイプ
▲「裏向き」で置かれ、反対側に絵と文章がついているタイプ

「裏向き」の利点;
・垂れ下がった部分が隠されるため、より整然とした印象を与える。

・幼児や犬、猫といったペットがトイレットペーパーにぶらさがろうとして全て巻き取ってしまうリスクを減らす。

・キャンピングカーに設置する場合は、走行中にはずみで紙が落ちることを減らせる。

トイレットペーパーで遊ぶ猫
▲トイレットペーパーで遊ぶ猫

ミシン目に沿ってトイレットペーパーをちぎることが容易になるという利点はどちらの側も主張しています。

両者とも片手で紙を引っ張ってもう一方の手でロールを安定させます。

ミシン目の無い紙で、ホルダーにカッターがそなえられている場合は「表向き」に限定されます

どちらの掛け方が経済的かは意見が分かれているようです。

トイレットペーパーのディスペンサーを二つ設ける対応は、公共のトイレやホテルで一般的になりつつあります。

二方向にはめられた12個のトイレットペーパー
▲二方向にはめられた12個のトイレットペーパー

並列可能なトイレットペーパーホルダー
▲並列可能なトイレットペーパーホルダー


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参考文献(wikipedia);
「トイレットペーパー」の向き
https://bit.ly/3cwok5X