信楽焼(しがらきやき)・狸の置物

信楽焼(しがらきやき)・狸の置物
信楽焼(しがらきやき)は、滋賀県甲賀市信楽を中心に作られる陶器で、日本六古窯(ろっこよう)のひとつに数えられます。

一般には狸の置物が著名ですが、多様な発展を遂げています。

信楽は、付近の丘陵から良質の陶土がでる土地柄です。

長い歴史と文化に支えられ、伝統的な技術によって今日に伝えられ、日本六古窯のひとつに数えられています。

信楽特有の土味を発揮して、登窯(のぼりがま)、窖窯(あながま)の焼成によって得られる温かみのある火色(緋色)の発色と自然釉によるビードロ釉と焦げの味わいに特色づけられ、土と炎が織りなす芸術として「わび・さび」の趣を今に伝えています。

信楽の土は、耐火性に富み、可塑性とともに腰が強いといわれ、「大物づくり」に適し、かつ「小物づくり」においても細工しやすい粘性であり、多種多様のバラエティーに富んだ信楽焼が開発されています。

信楽壺(ロサンゼルス・カウンティ美術館蔵)
▲信楽壺(ロサンゼルス・カウンティ美術館蔵)

信楽壺(ロサンゼルス・カウンティ美術館蔵)
▲一重口水指 銘 柴庵(ひとえぐちみずさし めいしばのいおり)
 桃山時代(東京国立博物館蔵・重要文化財)

信楽焼の狸の置物の歴史は比較的浅く、明治期に陶芸家の藤原銕造が作ったものが最初と言われています。

1951年(昭和26年)、昭和天皇が信楽町行幸の際、たくさんの信楽狸に日の丸の小旗を持たせ沿道に設置したところ、狸たちが延々と続く情景に感興を覚え、御製(ぎょせい)を詠んだ逸話が新聞で報道され、全国に知られるようになりました。

信楽町長野・新宮神社に歌碑が建っています。

詠んだ歌は次の通りです。

「をさなき日/あつめしからに/なつかしも/信楽焼の/狸をみれば」--昭和天皇
(幼いときに集めた焼き物のタヌキをなつかしく思い出した)

狸の置物は縁起物として喜ばれ、狸が「他を抜く」に通じることから商売繁盛と洒落て店の軒先に置かれることが多いです。

信楽焼八相縁起に因んで福々とした狸が編み笠を被り少し首をかしげながら右手に徳利(とっくり)、左手に通帳を持って突っ立っている、いわゆる「酒買い小僧」型が定番となっています。

今や、狸の置物は、信楽焼の代名詞のような存在です。

信楽の玄関口である信楽駅前には5.3mのタヌキ像が展示されているほか、アクセス路線である信楽高原鐵道(しがらきこうげんてつどう)の車体には、タヌキのキャラクターが描かれています。

信楽の陶器組合の生産額からみれば、現在、タヌキの比重は3%ほどだといいます。

サントリーが発売するウイスキー、オールドは黒い瓶と白いラベルとのコントラストが、信楽焼の狸を連想させるとし、愛飲者から「タヌキ」の愛称をつけられています。

信楽壺(ロサンゼルス・カウンティ美術館蔵)
▲信楽焼の店舗(信楽町)

信楽壺(ロサンゼルス・カウンティ美術館蔵)
▲信楽焼の店の前に所狭しと置かれた狸の置物

信楽壺(ロサンゼルス・カウンティ美術館蔵)
▲信楽高原鐵道「SKR400形」

信楽壺(ロサンゼルス・カウンティ美術館蔵)
▲ザ・サントリーオールド

「信楽たぬきの日」は、信楽町の観光協会が定めた記念日です。

もともとは2008年に八相縁起から8月8日を、日頃立ちっ放しで頑張っている狸の置物にお休みしてもらって(「信楽は狸の置物だけじゃない」とアピールする意味もあり)感謝する日「たぬき休むでぇ~(DAY)」を定めました。

2012年に更なる発展を目指し、開催月を「いい月」の語呂から「11月」、名前も「信楽たぬきの日」に変更しました。


▼Amazonで、遊び心がいっぱい詰め込まれた様々な表情の「狸の置物」が販売されています。
「狸の置物」

「詳細ページはこちら」



▼Amazon販売商品一覧
商品一覧はこちら→https://amzn.to/3aC47wm


参考文献;
信楽焼(しがらきやき)
https://bit.ly/3oOd0Ig
信楽町(しがらきちょう)
https://bit.ly/3jfs1Sq
六古窯(ろっこよう)
https://bit.ly/2NV6H99
連房式登窯(のぼりがま)
https://bit.ly/2Mwg9zq
わび・さび
https://bit.ly/2YINee3
行幸(ぎょうこう、みゆき)
https://bit.ly/2MTjA34
信楽高原鐵道(しがらきこうげんてつどう)
https://bit.ly/2LmNE6W
サントリーオールド
https://bit.ly/3oVTRVf